内部監査
*内部監査員研修      *プロセスアプローチ型内部監査 *品質/環境の統合監査の方法
*ISO自己適合宣言      *ISOマネジメントシステム支援       *医療の質マネジメント入門
*パフォーマンス向上支援 *スキルアップ研修         *コンピテンシー・マネジメント
* 無料相談室   *データベース   *コーヒーブレーク   *オンラインショップ
* Home    * 事務所概要     *個人情報   * サイトマップ   * お問い合わせ 

 

適合性と有効性を同時に監査する
プロセスアプロ―チ型内部監査のすすめ

         
    次
    はじめに
     1.認証取得後数年経過した組織様の課題
     2.経営や仕事に役に立つ監査とは
     3.プロセスアプローチ型監査とは
    プロセスアプローチ型監査の実施手順
     1.監査員の力量
     2.プロセスアプローチ型監査の準備(プロセスマップ、相互作用、プロセス活動図)
     3.監査プログラムの作成
     4.監査の計画
     5.監査の実施
    プロセスアプローチ型内部監査員研修及びチェックリストサンプルの紹介
01    
    このページの説明は、ISOのマネジメントシステムの用語を使用しており、用語の知識がないと分かりにくい箇所があるかと思います。私のブログで、その予備知識として下記の内容を解説していますので、必要な方は事前にお読みください。
・プロセスとは
・プロセスアプローチとは
・システムアプローチと相互作用
・リスクに基づく考え方
 
 
*
はじめに
1. 認証を取得後数年経過した組織様の課題
02  私はある認証認証機関の嘱託審査員として、中小企業事業者様のISO9001、ISO14001のマネジメントシステムの審査をさせていただいています。
担当する事業者様の多くは15年から20年程前に認証を取得されていますが、内部監査の進め方について戸惑いを持たれているように感じることがあります。
認証取得当初は不適合があったのでしょうが、15年から20年くらいになると多くの会社では不適合が検出されていません。良い点は記載されてますが、観察事項や改善提案事項の記載も少ない。折角、時間と費用をかけて実施しているが、それに見合う効果があるかという戸惑いです。

ISO9001 10.1改善では「組織は顧客要求事項を満たし、顧客満足を向上させるために、改善の機会を明確にし、選択しなければならない」と定められています。
また、ISO14001 10.1改善では「組織は環境パフォーマンスを向上させるために、改善の機会を決定し、必要な取組みを実施しなければならない」と定めています。
内部監査の進め方を変えて、経営や仕事に役に立つものにそて行きましょう!

2. 経営や仕事に役に立つ監査とは
ISO9001 内部監査の要求事項 
9.2.1 内部監査の目的
組織は品質マネジメントシステムが次の事項にあるか否かに関する情報を提供するために内部監査を実施しなければならない。
a)次の事項に適合している。
  この規格が規定した要求事項
  MSに関し組織自体が規定して要求事項
b)有効に実施され維持されている。
        
ISO14001の内部監査の要求事項も同じですが、ここでは品質マネジメントシステム(以下QMSと記載)に絞って説明します。
  毎回の内部監査で不適合が検出されていないということは、a)項は問題がないということですが、b)項に問題がないと言い切れるでしょうか。
b)項は「QMSの目的に対して、無駄がなく実際に役に立つ方法で実施されているか」を監査することです。
 
 
  b)項の原文は“effectively implemented and maintained”です。
“effectively”を辞書でひもとくと
目的の結果を効果的に、有効に達成することを意味します。
① 効果的に
 期待した結果を確実に、無駄なく達成するために、適切な方法で実行すること。
 単に「できる」だけでなく、最善の方法で最大限の効果を生み出すことを強調します
② 有効に
 何かを実際に機能させるために、適切な方法で実行すること。
 単に「存在する」だけでなく、実際に役に立つことを強調します。

 
  QMSの目的は、ISO9001規格の1項 適用範囲に記載されています。
・顧客要求事項および適用される法令・規制の要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供する
・QMSの改善のプロセスの効果的な運用、並びに要求事項への適合の保証を通して顧客満足を向上する。
ISO9001は認証基準を示す規格ですので、上記のようになりますが、内部監査ではQMSに対する組織独自の目的もあります。
例えば、「売上を向上する」「収益を向上する」「人材を育成する」といったことです。
 
   b)項は、このような目的を達成するためにQMSが、無駄がなく実際に役に立つ方法で実施されているかどうかの情報を提供することです。

ISO9001品質マネジメントシステム要求事項の本質はプロセスアプローチです。ISO/IAF TC176(品質管理・品質保証技術委員会)は、組織がプロセスアプロ―チに基づいて運営されているかを監査することを推奨しています。
しかし、部門単位の監査では、プロセスアプロ―チに基づくことは難しく、規格条項順の監査になりがちです。
そこで、QMSの有効性を主体として、同時に適合性も監査する“プロセスアプローチ型監査”を紹介します。
03  
3. プロセスアプロ―チ型監査とは                          
ISO TC176の技術文書“ISO9001:2015におけるプロセスアプロ―チ”によると
ISO9001:2008では、システムアプローチとプロセスアプローチ、PDCAが分かれていたが、ISO9001:2015では
従来からあるプロセスアプロ―チをベースとして、
 ・システムアプロ―チ
 ・リスクに基づく考え方
 ・PDCAによる継続的改善
が重要なツールとして位置付けされ、これらの全てがプロセスアプロ―チの中に包含されるように変更されています。
ISO9001:2015 序文 0.3.1では、以下のように記載されている。
品質マネジメントシステムでプロセスアプローチを適用すると,次の事項が可能になる。
a) 要求事項の理解及びその一貫した充足
b) 付加価値の点からの,プロセスの検討
c) 効果的なプロセスパフォーマンスの達成
d) データ及び情報の評価に基づく,プロセスの改善

プロセスアプローチ型監査とは、組織の活動を相互に関連するプロセスとして捉え、上記a)~d)の観点から、プロセスの有効性と効率性を評価する監査手法です。
これにより、組織はプロセスの改善や最適化に取り組むことで、組織全体のパフォーマンスと品質を向上させることができます。
即ち、プロセスアプローチ型監査は、有効性や効率を評価し改善するための有効な監査の方法となります。
04   
* プロセスアプローチ型監査の実施手順
1. 監査員の力
「ISO19011マネジメントシステム監査のための指針」付属書A.2 監査に対するプロセスアプローチでは、以下のように記載されています。
“プロセスアプローチ”の利用は,ISOの附属書SLに従う,全てのISOマネジメントシステム規格における要求事項である。
マネジメントシステム監査とは,一つ又は複数のマネジメントシステム規格に関係する組織のプロセス及びそれらの相互作用を監査することであることを,監査員は理解することが望ましい。一貫して予測可能な結果を,より有効にかつ効率的に達成するのは,マネジメントシステムの活動を,首尾一貫したシステムとして機能する相互に関連したプロセスとして理解し,マネジメントするときである。
05 即ち、プロセスアプローチ監査をする監査員は、ISO9001:2015年版のプロセスアプローチをよく理解することが必要です。
冒頭でも紹介しましたが、私のブログに下記の項目の解説をしていますので参照してください。
 ・プロセスとは
 ・プロセスアプローチとは
 ・システム思考/システムアプローチ
 ・リスクに基づく考え方
また、「2.プロセスアプローチ監査の準備」の中でも、適宜、プロセスアプローチの解説を加えながら手順を説明しています。
2. プロセスアプローチ型監査の準備
ISO9001:2015年版のプロセスアプロ―チの要求事項
ISO9001:2015 4.4 品質マネジマントシステム及びそのプロセス
組織は次の事項を実施しなければならない。
a) これらのプロセスに必要なインプット,及びこれらのプロセスから期待されるアウトプットを明確にする。
b) これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にする。
c) これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法(監視,測定及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を決定し,適用する。
d) これらのプロセスに必要な資源を明確にし,及びそれが利用できることを確実にする。
e) これらのプロセスに関する責任及び権限を割り当てる。
f) 6.1の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
g) これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更を実施する。
h) これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。

プロセスアプローチ監査ではa)~h)項が適切に実施できているかを監査します。
上記のa)~e)項が準備事項になりになります。

プロセスマップ                 
 ISO/TC176(品質専門員会)よりプロセスアプローチの説明書「ISO9001:2015におけるプロセスアプローチ」が発行されており、その付属書に実施手順が紹介されています。
先ず、1)組織の状況を定義し、2)適用範囲、方針及び目標を定め、3)組織内のプロセスを明確にする。4)プロセスの順序及び相互作用で流れるかを明確にする。

1)組織の状況の定義では、密接に関連する利害関係者のQMSの密接に関連する要求事項、ニーズ並びに期待を特定する。簡単に言うと、組織は顧客、従業員、外部提供者などの利害関係者にどんな便益を提供するかということ、これが適切であれば事業は成功するし、不適切であれば、利害関係者は組織から離れていきます。ここがQMSのスタート地点です。

2)適用範囲、目標及び方針の策定は、1)で実施した要求事項、ニーズ及び期待に基づいて策定する。
次に、相互作用を明確にします。相互作用とはプロセス間において互いに働きかけ影響を及ぼすことです。

3)必要なプロセスは、意図したアウトプット(不適合の予防及び顧客満足の向上)を出すために必要なアウトプット明確にする。

4)はプロセスのネットワーク及びそれらの相互作用を定義し、記述する。

 
以上の内容をプロセスマップで見える化し記述します。
ここでは、プロセスアプローチ監査を想定し、会社のプロセスを以下の三階層のマップとPDCAに分けて表現されています。
・会社レベルのプロセスマップ
・事業レベルのプロセスマップ
・プロセスレベル-プロセス活動図
   
            図-1 プロセスマップ
会社レベルのプロセスマップとプロセス活動図は、どの業種でもほぼ同じですが、事業レベルのプロセスマップのコアプロセスは業種及び事業内容によって異なります。
以下、代表的な例を紹介します。

・製品の開発設計がある製造業   
       図-2 製品の開発設計がある製造業のコアプロセスの例
 
・物流業
                    図-3 物流業のコアプロセスの例
    
  ・建設業
 
                  図-4 建設業のコアプロセスの例
    
  相互作用 
   相互作用とは、プロセスがお互いに影響を及ぼしあうことを指します。
どのような影響を及ぼしあうかの内容は図-1プロセスマップでは図示出来ないの“相互作用のループ”で表現すると理解しやすい。
どのような相互作用が有効であるかは、組織の状況によって若干異なると思いますが、以下代表的な相互作用を紹介します。
なお、図中の P はプロセスの略です。
    
   ・顧客の創造の関する相互作用
 
                図-5 顧客の創造(新規顧客又は新規初回発注)のループ 
    
  ・顧客満足向上の関する相互作用(既存顧客の場合)
 
               図-6 顧客満足向上(既存顧客)のループ
    
   ・リスク及び機会の取組みの相互作用
 
                 図-7 リスク及び機会の取組みのループ
    
  人々のモチベーション向上に関する相互作用 
 
                   図-8 人々のモチベーション向上のループ
    
  ・意思決定の客観性・信頼性向上に関する相互作用
 
                 図-9 意思決定の客観性・信頼性向上のループ
    
  プロセス活動
   活動レベルのプロセスマップはプロセス活動図です。プロセスを構成する具体的な資源や手順を定義しています。
 
                           図-10 プロセス活動図

   プロセス活動図は、どのプロセスでも同じで、プロセスの構成要素はISO9001:4.4項のa)~f)です。
ンプット、アウトプット、手順・判断基準、パフォーマンス指標、必要な資源(人的資源、物的資源)、プロセスオーナー(プロセスの責任者)を明確にします。
ISO9001:4.4項f) の「6.1の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む」は、プロセスの目標の設定になっています。
g) の「これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更を実施する」は「パフォーマンスの評価」、h) の「これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する」は「改善」になっています。 
06    
3. 監査プログラムの作成
   監査プログラムの作成は、適合性監査とほぼ同じですが、注意することは、監査の目的を明確にすることと、プロセス単位での監査計画を作成することです。
  監査の目的を決定する
  「ISO19011:2018 マネジメントシステム監査のための指針」では 個々の監査で目的を設定して監査することを推奨しています。
   5.5.2 個々の監査の目的
監査目的は,その個々の監査で何を達成するのかを定めるものであり,次の事項を含めてよい。
a) 監査の対象となるマネジメントシステムの監査基準への適合の程度の決定
b) 関連する法令・規制要求事項及び組織がコミットメントしたその他の要求事項を満たす上で組織を支援する,マネジメントシステムの能力の評価
c) 意図した結果を満たす上でのマネジメントシステムの有効性の評価
d) マネジメントシステムの潜在的な改善の機会の特定
e) 被監査者の状況及び戦略的方向性に関する,マネジメントシステムの適切性及び妥当性の評価
f) 目的(又は目標)を確立及び達成し,変化する状況においてリスク及び機会に有効に対処するための,マネジメントシステムの能力の評価。これには,関係する活動の実施を含む。
   適合性監査を兼ねたプロセスアプローチ監査では、このどれもが該当しますが、その監査で特に強調することを選んで目的に設定します。
    
  監査部門の中で監査するプロセスを分別する
  日頃は、部門単位で監査をしている会社が多いと思います。プロセスアプローチ監査でも部門単位で監査することは差支えありませんが、監査はプロセスごとに実施する。
「プロセス分別表」を作成し、監査対象部門に行っても部門単位ではなく、プロセス単位で監査をします。図-11の製造業、図-12に建設業のプロセス分別表の事例を示す。
 
   
           図-11 プロセス分別表(製造業の例)
   
 
           図-12 プロセス分別表(建設業の例)
    
  重要なプロセスは頻繁に監査する
    ISO9001:2015 9.2.2項では「監査プログラムは,関連するプロセスの重要性,組織に影響を及ぼす変更,及び前回までの監査の結果を考慮に入れなければならない。」と規定されています。
プロセスの重要性は、「顧客満足度への影響」「リスクの大きさ」「組織の目標達成への影響度」によって評価する。これらのプロセスは、製品及びサービスの品質を作り込むプロセス、即ち、運用プロセスが該当します。運用プロセスは、他のプロセスよりも頻繁に監査するプログラムにする。
 07   
4.  監査の計画
  監査するプロセスの構成要素を明確にする 
    監査するプロセスの構成要素は、図-5 プロセス活動図の「プロセス」の枠の中に記されている内容です。
監査の際は、この構成要素が適切に計画され管理され実施されているかを確認します。確認する項目をグラフ形式で表示します。亀の形をしているのでタートル図と呼ばれています。
図-12 にタートル図の例をしまします
   
          図-13 タートル図 製造プロセスの例
  事業レベルのプロセスでは、タートル図を作成するのが一般的です。
会社レベルのプロセスでは、インプット、アウトプット、手順・判断基準、相互作用が主な構成要素なのでタートル図ではなくプロセスマップをそのまま使った方が効率的です。
   
  プロセスアプローチ監査の質問項目
  プロセスアプローチの基本的な質問事項は次の5項目です。この5項目について監査するプロセスの状況を踏まえてた言葉で質問していきます。
   Q1 (目的・目標)あなたは何をしようとしていますか。
 
    全ての組織には目的があり、その目的に沿った方針や目標がある。プロセスにも目的・目標があり、その目的・目標は組織の中で一貫性があるものでなければならない。
   Q2 (プロセス)それをどのように実現させていますか。
 
  これは、プロセスマップ及びプロセス活動図のPlan・Doの段階を確認しています。
タートル図には、インプット、人的資源、物的資源、手順・基準、評価指標の確認項目が記載されています。これらが適切に計画され実施されているかを確認します。
   Q3 (アウトプット)それが正しいことをどうやって知っていますか。
 
  目標の達成状況、あるいはプロセスの結果が正しいということをどのように監視や測定をしているか。また、問題がある場合は是正処置をしているかを確認します。 
   Q4 (改善)それが実施する最良の方法であることをどうやって知っていますか。
 
  組織の状況や顧客のニーズは絶えず変化する。そのような変化に対応しながらシステム・プロセスを継続的に改善しているか、会社レベルでは、分析及び評価、マネジメントレビューのアウトプットからQMSの有効性を継続的改善しているかを確認します。事業プロセスレベルでは手順や方法の改善が実施されているかを確認します。 
   Q5 (目標の妥当性)それを行うのが正しいことをどのように知っていますか。
 
   プロセスの目標自体は正しかったのかを確認する。マネジメントレビューは、QMSが適切、妥当かつ有効で組織の戦略的な方向性と一致することを確実にするために実施している。
会社レベルでは、マネジメントレビューの実施内容の確認、事業プロセスレベルではプロセスの目標がマネジメントレビューのアウトプットと整合が取れているかを確認します。
    
  監査チェックリスを作成す
    プロセスアプロ―チ監査だけをするのであれば、タートル図と基本的な質問事項が決まっていれば監査はできます。
しかし、ISO9001 9.2.1項では、適合性と有効性の両方の監査を実施することを要求しているの、このやり方であると、別に適合性監査をやらなければならない。
そこで、プロセスアプローチ監査をやるときに規格への適合性も一緒に監査する。そのためにプロセスアプローチ監査の質問項目がISO9001規格のどの条項と関連しているかが分かる監査チェックシートが必要になります。
このチェックシートを作るにはかなり手間がかかります。
  当事務所では、有料ではありますがチェックシートのひな型を提供していますのでご活用ください。 
  P01 ISO9001:2015 プロセスアプロ―チ監査チェックリストサンプル集
 製造業・廃棄物処理業・サービス業などプロジェクトマネジメントのない企業様用 
  P02 ISO9001:2015 プロセスアプロ―チ監査チェックリストサンプル集
 建設業・ソフトウエア開発・イベントなどプロジェクトマネジメントが中心となる企業様用 
  P03 ISO9001/14001 統合プロセスアプロ―チ監査チェックリストサンプル集
 製造業・廃棄物処理業・サービス業などプロジェクトマネジメントのない企業様用 
  P04 ISO9001/14001 統合プロセスアプロ―チ監査チェックリストサンプル集
 建設業・ソフトウエア開発・イベントなどプロジェクトマネジメントが中心となる企業様用
  ※ 現在作成中のため、しばらくお待ちください。
  ISOコンサルタント等の同業者への販売はしておりませんので、ご了解お願いいたします 
08    
5. 監査の実施
  初回会議、監査経路、インタビュー 
    初回会議、監査経路、インタビューの方法は、適合性監査と同じです。
但し、適合性監査では、何が、どこで、いつ、なぜ、質問のあと、「記録を見せてください」という質があります。有効性監査で記録ではなく「結果を見せてください」という質問になります。
    
  監査所見
    監査所見の種類はISO19011:2018に以下のように記載されています。
   ・不適合
 
   ISO9001規格、当社のマニュルや手順の項目、該当する法規制の順守事項の要求事項に適合していない場合
不適合には「重大な不適合」「軽微な不適合」にランク付けされる場合があります。
ISO17021-1(マネジメントシステム認証機関の要求事項(基準))には以下のように定められています。
重大な不適合:意図した結果を達成するマネジメントシステムの能力に影響を与える不適合
軽微な不適合:意図した結果を達成するマネジメントシステムの能力に影響を与えない不適合
  ・改善の機会
 
  ISO9001の要求事項を超えるマネジメントシステムの改善の可能性や、組織のパフォーマンスを向上させるための活動に改善の余地がある事項 
  ・優れた実践例
 
  当社の他の分野への水平展開が考えられる優れた実践事例 
  ・被監査者に対するあらゆる提言
 
   潜在的な問題点、予防処置、プロセスアプロ―チの理解などのあらゆる提言
   監査所見の種類は、適合性監査でもプロセスアプロ―チ監査でも同じですが、プロセスアプロ―チ監査では、「プロセスアプロ―チ及び品質パフォーマンスの向上に関する不適合」「改善の機会」「被監査者に対する提言」の監査所見が多くなります。 
    
  不適合(是正処置要求書)発行の着眼点
  ・品質目標及び達成計画が適切に策定されていない。 箇条4.4f)、箇条6.1,6.2
・品質目標の未達成に関する是正処置が実施されていない。箇条10.2
 
   但し、目標の未達成に関しては、次の場合はISO9001の不適合にはなりません。
・目標の見直しプロセスがあって、期中や期末で目標を見直ししている場合(箇条6.2.1g))
・プロセスの目標で、製品・サービスの適合、顧客満足の向上に関係していないもの(箇条6.2.1d))
・当社の戦略・方針・目標の関する事項事項での相互作用の不十分 箇条7.3 箇条7.4
 このページの「相互作用」の項参照
   ・箇条7.箇条8で”suitable”又は”appropriate”と記載されている個所が適切に出来ていない場合は、正しい結果が出ません。
運用の計画プロセス 箇条8.1、8.6
設計開発プロセス 箇条8.3.1、8.3.4、8.3.5
製造/サービスプロセス 箇条8.5.1b)、8.5.1d)、8.5.2、8.7.1
人的資源管理プロセス 箇条7.2b)、7.2d)
測定機器に管理プロセス 箇条7.5.1
 
   詳細は、弊職のブログ「リスクに基づく考え方」―2.事業プロセス を参照ください。
  ・プロセスの活動結果を評価し、結果が判断基準及び関連するパフォーマンス指標から外れている場合、必要なプロセスの変更を実施していない。( 箇条4.4g)、箇条10.2e) f) ) 
 
  必要なプロセスの変更とは、該当するプロセスの是正処置とは、限りません。“システム思考”の観点から従属するプロセスを改善する場合もあります。 詳細は、弊職のブログ「システム思考/システムアプローチ」―真に効果のある改善の実施 を参照ください。 
  ・マネジメントレビューのアウトプット、及び分析及び評価の結果が継続的改善につながっていない。箇条10.3 
   
  監査の報告及びフォローアップ 
    この段階の手順は、従来から行っている適合性監査の場合と同じです。
 09   
* プロセスアプロ―チ型内部監査員研修及びチェックリストの紹介
  プロセスアプローチ型内部監査研修(主張研修) 1日コース
  対 象 者
     ・パフォーマンス及び有効性の向上を中心とした内部監査を導入したい企業様
  コース内容 
 
午前 ・ISO9001:2015の要点
・品質マネジメントシステムの有効性とプロセスアプローチ
・プロセスアプローチ型監査の監査技法
午後 ・監査チームごとに分かれ、監査の着眼点及びチェックリストの作成
・プロセスアプローチ型内部監査の模擬演習
・監査結果のまとめと報告
・監査結果の自己分析
   スケジュール例   ISO9001有効性監査 内部監査員養成 研修スケジュールの例(pdf) 
   研修講師 IRCA認定QMSプリンシパル審査員  西村三郎(pdf)  
費 用
○ 研修費用総額
    研修費用 + 消費税 + 講師の旅費交通費
  原則として、20名以内
  ✩研修費用
   ・6人以下の場合は一律 6万円
   ・6人を超える場合は  6万円+[(受講人数-6)X1人当たり5千円] 
例えば   6人で 6万円
      10人で 8万円
      14人で10万円 

✩消費税
  ・研修費用X10%
✩旅費交通費
  ・原則としてJR等の交通機関利用、実費
○ コース終了後、内部監査員コース修了証を発行いたします。
 お問合せ先
  プロセスアプローチ型内部監査のチェックリストサンプル 
   P01 ISO9001:2015 プロセスアプロ―チ監査チェックリストサンプル集
 製造業・廃棄物処理業・サービス業などプロジェクトマネジメントのない企業様用 
   P02 ISO9001:2015 プロセスアプロ―チ監査チェックリストサンプル集
 建設業・ソフトウエア開発・イベントなどプロジェクトマネジメントが中心となる企業様用 
   P03 ISO9001/14001 統合プロセスアプロ―チ監査チェックリストサンプル集
 製造業・廃棄物処理業・サービス業などプロジェクトマネジメントのない企業様用 
   P04 ISO9001/14001 統合プロセスアプロ―チ監査チェックリストサンプル集
 建設業・ソフトウエア開発・イベントなどプロジェクトマネジメントが中心となる企業様用
   ※ 現在作成中のため、しばらくお待ちください。
  ISOコンサルタント等の同業者への販売はしておりませんので、ご了解お願いいたします 
   

      
 ページtopへ戻る