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2007年08月 アーカイブ

2007年08月06日

WRG(廃棄物・リサイクルガバナンス)登録制度

先月、当事務所のメルマガ「nsweb通信」7月号を読んでいただいた先輩環境カウンセラー埼玉県の○倉様より"廃棄物・リサイクルガバナンス"の情報をいただきましたので紹介します。

Wrg
  廃棄物・リサイクルガバナンスの実践(出展:経済産業省3R政策のページ)

廃棄物・リサイクルガバナンスとは、単なる不法投棄対策として構築するものに留まらず、ものの調達段階から最終処分・リサイクルといった各段階に至るサプライチェーンの流れを企業が責任をもって「統治」=ガバナンスする、という意味だそうです。

そして、その認証登録・支援制度が今年度から開始された。

廃棄物・リサイクルガバナンス(WRG)認証登録・支援制度は経済産業省管轄で、(社)産業環境管理協会 化学物質管理情報センターが事業展開している。
今年7月全国8会場で、そのセミナーが開催され○倉さんは東京会場に参加されたとのこと。

私自身はセミナーに参加していないが、ホームページより登録プログラムサポートプログラムをのぞいて見ると、
WRGに取り組みたい企業が、登録プログラムをダウンロードして自己診断チェックシートで評価し、弱いところを改善する。
その過程で公募により登録されたコンサル機関が有料でシステム構築をお手伝いする。
WRG構築が一定レベルになるとJEMAILへ登録申請し(有料)、認められるとJEMAILの認定企業ページに掲載されると共に、その登録マークをCSR報告書、サスティナビリティレポート、自社ホームページ等に掲載する、という内容です。

これは、CSRに取り組んでいる大企業や有害物質を排出する会社にとっては役に立つ制度かも知れませんね。
また、産業廃棄物関係の専門コンサル企業や意欲のある産廃処理事業者にとっては、支援事業に参加し今の事業を更に発展させる機会になるかも知れません。

しかし、その他の中小企業にとっては、WRGを実施する必要性は認めるが、お金をかけてまでやるかどうかは疑問ですね。

私が気に留まったのはJEMAILの登録制度ではなく、経済産業省の「廃棄物・リサイクルガイドライン」の方です。

特に第2章「廃棄物・リサイクルガバナンス構築に向けた体制構築と社内ルールの制定」は、ISO14001やエコアクション21で環境マネジメントシステムを構築するときに廃棄物のリサイクル・管理方法を作り込むときに役にたちますね。

 ⇒ 廃棄物・リサイクルガバナンス構築に向けた体制構築と社内ルールの制定

ただし、この中の2-15ページ 「中間処理業者の選定に当たって確認することが望ましい主要なチェック項目例」 はかなり詳細に作成されています。
これをまじめにやろうとすると一苦労があります。そこで、WRGプログラムでは専門コンサル機関と契約すると業務代行をしてくれる、というしくみになっているようです。
しかし、このチェック項目は、廃棄物処理業優良制評価の基準を引用してきているので、優良制評価の基準適合業者を選べばこのような面倒な調査は省くことができると思います。
但し、産業廃棄物処理業者は全国に3万社あるが、優良制評価の適合認定に応募した事業者が2007年7月現在まだ1千社というのがネックですね。今後、多くの産廃事業者が応募されることを希望します。

2007年08月13日

県民環境講座

Dsc05111 環境カウンセラーの関係で、今年より石川県の地球温暖化防止推進員になっている。
この程「県民環境講座」が開催され、その案内がきたので参加した。
2会場に分かれて開催されているが、今回の参加者は30名程度

全部で4講座あるが、今日はうち
1)「地球温暖化と大気の汚れ」測定する、体感する、理解する)
2)「地球環境時代に対応したグリーン住宅」

最初の講座は三重県四日市で永年、小学生高学年の環境教育に取り組んでこられた環境カウンセラーの矢口講師。
アイスブレークから、子どもにどのように話をしたら興味を持ってもらえるかという説明の仕方の仕方について解説があった。

Dsc05108 その中で、空気の汚れを二酸化窒素濃度で計測するという簡単な実習があった。
正確な測定はエコアナライザーで計測するが、計器が高いのでザル液の色の変化で測定する。
外へ出て、ビニール袋に空気を入れてきて、その中にザルツマ液をたらして10分ほど待つと色が出てくる。この色を色見本と比較して数値を計る。
右の写真は、石川県県民エコステーション広場からと、新型カローラの排気管出口から採った空気を比較したもので、排気管から出た空気が汚れていることが一目で分かる。
色見本と比較すると紫色に濃度は約0.04ppm
市街地の環境基準は0.05ppmだそうです。
これなどは、子どもに遊びながら感心を持ってもらう方法としてはよい方法かも知れませんね。

二番目の講座は金沢工業大学に垂水教授のグリーン建築の話
スウェーデン等では、30年前の第一次オイルショック以降、国や大学の研究機関、建設会社などが開発した省エネ技術を結集して、外断熱工法やゼロエネルギーハウスといった省エネ指向の住宅づくりの技術が確立されている。
スウェーデンでは、戸建てに住もうと集合住宅に住もうと、冬の厳冬期ですら気温を気にせず、年間を通して快適に過ごせるようになっていると聞くが、ようやく日本でもその機運が生じてきたという状況のようである。

平成11年3月に次世代省エネ基準により「エコ住宅」の基準が決められている。
断熱機密性と省エネルギー性能(Q値)により規定されている。
しかし、次世代省エネ基準達成率は2割以下で、日本の戸建て住宅の7割を占める木造軸組工法については、省エネルギー性と快適性を高める技術がまだ確立していないそうです。
Hc_2
 垂水教授からは、これらの住宅の断熱機密性を確保するポイントと、省エネルギー性能としてヒート&クールチューブ方式の紹介があった。
要するに外気を地中に埋めたパイプ(右の写真)の中に一度通してから断熱機密が確保された室内にいれる。
地中の温度はほぼ一定なので、ヒーターやクーラーを使わなくても室内の温度を一定に保つことができる、という方式です。
しかし、この方法は省エネ効果はあるが、結露防止など日常のメンテナンスを気をつけなくてはいけないようです。

2007年08月17日

環境負荷の自己チェック

Fuka_blance_3 右図は物質の全体的な流れと環境影響との関連を示したものです。
 
環境負荷とは、人(事業所)が環境に与える負担のことですが、これをインプット、アウトプットに分けてバランス表示したものをマテリアル・バランスという。
 
EA21では、活動のはじめに環境省「事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン」に基いて環境負荷の自己チェックを行なうことになっているおり、Excelによる集計プログラムが用意されている。
このプログラムを全て集計すると、自社の活動におけるマテリアル・バランスを把握できるようになっている。
製品開発を行なっている中堅メーカーでは、更にLCA等により製品まで含めたマテリアル・バランスを把握すること望ましいし、実際にはそのように行なわれている。

しかし、EA21は主として小規模事業者を対象にしており、マテリアル・バランスまでは求めていないが、最初に自社の環境改善活動に関連する負荷を自己チェックすることを要求している。
これまでの私の経験では、負荷の自己チェックを行なうにはある程度の専門知識が必要で初めて活動を開始する小規模事業所では戸惑っている状況に出会うことがある。

自力で自己チェックを行なっている事業者様向けに、私がEA21のコンサルをする時に使用している解説スライドを公開します。
なお、この内容は、ISO14001の初期レビューにも役立つものです。

Excelのよる自己チェックプログラムと対比して、ご覧下さい。

 ⇒ Excel による環境負荷の自己チェックプログラム(EA21中央事務局)

 ⇒ 環境負荷の自己チェック方法の解説

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