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2007年01月 アーカイブ

2007年01月01日

電子年賀状

あけましておめでとうございます。
昨年中はご愛顧いただきありがとうございました。本年もよろしくお願い申し上げます。

     Dsc04617
 今年の正月は全国的に晴れが多いようですね。
 (これは、12月31日15時30分小松市中海町梯川堤防付近から見た白山です)

一般的に年賀状は「年賀はがき」が多く「電子年賀状」は余り人気がありません。
しかし、私は今年の年賀状は、メールアドレスのわかる相手方(全体の半分位)をYahooグリーティングの電子年賀状に変更しました。

理由は、地球温暖化に少しでも貢献できるのではないかと考えたこと。
NTTグループの試算によれば、オンライン受発注システム(電子商取引)や、テレビ会議システム、さらにはSCM※など、人やモノの移動がITを介してスムーズに実施されるようになると、2010年には、日本の総エネルギー消費量を3.9%削減できると予測しています。

 ⇒ NTTの記載ページ

「年賀はがき」と「電子年賀状」に対するLCAがないので、正確なことはわかりませんが、紙の使用が電気の使用に変わる ⇒ これは同負荷と仮定する。
すると、はがきの運送・配達に要する石油の使用量に相当する環境負荷が削減できることになると思います。

2007年01月12日

省エネ・リサイクルQ&A

 いつもお世話になっている社会福祉サービス関連お客さまより、内部監査員を追加したいので研修して欲しいとの依頼を受けた。

環境への認識教育の内容について、今更環境問題の重要性を話しても目新しさはない。具体的な方策の話をしようと「省エネ・リサイクル」についての問題を作りディスカッションすることとした。
この際、他のお客さまへも活用できるよう問題は一般的な内容を網羅し、その中から該当組織に合ったものを選択して問題集とする。

<作った問題を公開します>

Q1.使用済みの天ぷら油カップ1 杯(500cc)を排水口に捨てると、魚が住める水質に戻すためには浴槽何杯分の水が必要でしょか。

Q2.平成16年9月に古紙回収ルートの中に新しく追加にものがあります。それはどんな種類の古紙ですか。

Q3.日本国内のレジ袋を全廃すると石油はどれだけ節約できますか。

Q4.日本で使っている割り箸はおもにどこで作られていますか。

Q5. 私たち日本人は、1年に何本ぐらいのペットボトルを使い捨てているでしょうか。

Q6.電池には回収義務のある電池とない電池がありますが、回収義務のある電池とはどんな電池ですか。

Q7.ビールびんの回収・再使用率はどのくらいでしょうか。

Q8.家庭から1年間に出る生ごみと、日本人が1年間に食べているお米の量が同じって、ほんとうですか。

Q9.私たちは平均して1日にどのくらいの水を使っていまか。

Q10.携帯電話1台には、何グラムの金が入っていますか。

Q11.「リサイクルマーク」がついていないパソコンを廃棄するにはどうしたらいいの?

Q12.フロンの生産中止になってから、もう20年もたつのになぜオゾンホールが史上最大になるのでしょうか。

Q13.エコキュートは、どうして熱効率がよいの?

Q14.太陽電池の発電コストが、電力会社の電力料金より安くなるのは何時ごろでしょうか。

Q15.液晶、プラズマ、ブラウン管 最も省エネな大型テレビはどれですか。

この問題の出展は、日経エコロジー「2006年10月号技術事始」「2007年1月号環境Q&A」及び枝廣淳子筆「回収ルートをたどる旅」の掲載内容の一部を要約してあります。
詳細を見たい方は、上記図書を購読下さい。

回答(及び簡単な解説)は以下にあります。

【回答(及び簡単な解説)】

Q1.使用済みの天ぷら油カップ1 杯(500cc)を排水口に捨てると、魚が住める水質に戻すためには浴槽何杯分の水が必要でしょか。

 使用済みの天ぷら油カップ1 杯(500cc)をそのまま流すと、水だけで魚が棲める程度の水質にするためには、風呂桶330杯分(9万9000リットル)もの水が必要となります。
また、味噌汁1杯(200cc)をそのまま流すと、水だけで魚が棲める程度の水質にするためには、風呂桶約5杯(1400リットル)の水で希釈する必要があります。

Q2.平成16年9月に古紙回収ルートの中に新しく追加にものがあります。それはどんな種類の古紙ですか。

 従来の新聞、段ボール、雑誌に新しく、雑がみ、オフィスペーパーが追加になりました。

Q3.日本国内のレジ袋を全廃すると石油はどれだけ節約できますか。

 2002年に国内で消費されたレジ袋をスーパーで使われているLLサイズのレジ袋に換算すると305億枚で、一人当たり約300枚になる。
1枚のレジ袋を作るために必要な原油の量は18.3mL
305億枚のレジ袋を作るために年間56万kLの原油を使用している。

Q4.日本で使っている割り箸はおもにどこで作られていますか。

 日本で1年間に使う割り箸は約254億膳、一人当たり200膳です。
その95%が中国産、国産が2.5%、残りはインドネシア・チリなどです。
使い切りの割り箸を使うのは日本だけだそうで、残念ながら日本の割り箸が中国に砂漠化に貢献(?)しているようです。

Q5. 私たち日本人は、1年に何本ぐらいのペットボトルを使い捨てているでしょうか。

 年間1.5Lのペットボトルに換算して100億本、そのうちリサイクルされずに焼却又は埋めててされているペットボトルは40億本です。

Q6.電池には回収義務のある電池とない電池がありますが、回収義務のある電池とはどんな電池ですか。

 電池には乾電池と、充電式電池があります。
乾電池には、昔は水銀が使われていたのですが、現在生産されている乾電池には水銀が含まれていませんので不燃ごみとして出しても問題ありません。
充電式電池とは、ニカド電池(電動歯ブラシなどに使用)、ニッケル水銀蓄電池(MD、シェーバーなどに使用)、リチウムイオン電池(ビデオカメラ、携帯電話などに使用)、鉛蓄電池(自動車用バッテリー)などがあります。
これらの電池には、鉛やカドミュームなどの有害物質や稀少金属が含まれており、「資源の有効な利用に関する法律」に基づき回収・再資源化が義務付けられています。
しかし、実態としてい回収は余り進んでいないそうで、ニカド電池の回収率は20%程度だそうです。

Q7.ビールびんの回収・再使用率はどのくらいでしょうか。

 ビール瓶の95%が酒屋にもどりリユースされています。ビール瓶の寿命は約8年、20回以上リユースされています。
しかし、今そのビンがどんどん缶にとって代わられようとしています。
日本中の全飲料容器がリターナルビンになったら、現状の容器からの二酸化炭素排出量は約57%、固形廃棄物は125万トン削減できるそうです。
ビールを飲むなら、缶ビールではなく、ビンビールを飲みましょう。

Q8.家庭から1年間に出る生ごみと、日本人が1年間に食べているお米の量が同じって、ほんとうですか。

 日本の家庭から年間1000万トンの生ゴミが出ている。これは1年間に食べるお米の量と同じです。

Q9.私たちは平均して1日にどのくらいの水を使っていまか。

 1人が1日に使う水の量は200~300L、アメリカについで世界第2位です。
内訳は風呂26%、トイレ24%、炊事22%、洗濯20%、その他8%です。

Q10.携帯電話1台には、何グラムの金が入っていますか。

 携帯1台当たり金0.028g、銀0.189g、銅13.7g、少ないようですが、これは金鉱産の含有量よりも5倍も高い。
しかし、携帯電話のリサイクル率はたった40%です。

Q11.「リサイクルマーク」がついていないパソコンを廃棄するにはどうしたらいいの?

 家電リサイクル法の施行により、パソコンを購入するときにはリサイクル費用が含まれています。
しかし、2003年10月以前に販売されたパソコンは販売時にリサイクル料が徴収されていません。
このようなパソコンを廃棄するには、廃棄時にメーカーに連絡して振替用紙をもらいリサイクル料を払います。そしてパソコンを梱包して送られてきた専用用紙「ゆうパック伝票」を貼り、郵便局に持ち込んで回収してもらいます。
リサイクル料金はノート型で3,150円、デスクトップで4,200円程度です。
しかし、廃棄するよりもリユースがよいにですから、その前に近くのリサイクルショップに買い取ってもらえないか確認しましょう。

Q12.フロンの生産中止になってから、もう20年もたつのになぜオゾンホールが史上最大になるのでしょうか。

 2006年10月南極上空のオゾンホールが史上最大だったことが観測された。
フロン削減の国際的な取組が始まってから約20年過ぎ、フロンの使用量が削減されている。しかし、フロンの寿命は50年以上、対流圏を10年から100年かけて上昇し、成層圏で分解されてオゾン層を破壊する。過去に排出したフロンがオゾン層を破壊し続けている。
これからも当分の間、オゾンホールが更に大きくなることが続きそうとのことです。

Q13.エコキュートは、どうして熱効率がよいの?

 エコキュートは、コンプレッサーで大気の熱を汲み上げ、給湯の熱エネルギーをつくるヒートポンプシステムといわれる方法で、圧縮に使う電気エネルギーの2倍の熱エネルギーを外気から吸収することができる。
1つの電気エネルギーから、何倍のエネルギーを取り出すことができることを示すものとしてCOPという指標があります。
従来の機種のCOPは3程度でしたが、技術開発が進んで現在開発されている機種では4~5程度のなっています。
エコキュートそのものの詳しい説明は、ALL About の最近よく聞く?!「エコキュート」ってなに?を見てください。

Q14.太陽電池の発電コストが、電力会社の電力料金より安くなるのは何時ごろでしょうか。

 太陽電池を接地したときの発電コストは45円前後で、電量会社からの購入電力のほぼ倍です。
しかし、今技術開発が進んでおり、2010年頃には、今の電力会社の購買電力よりやすくなると予想されています。
   太陽光発電システム技術革新予想(日経エコロジー2006.10号) 
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注)資源エネルギー庁「2030年に向けたエネルギー政策の展望」を簡素化した。

Q15.液晶、プラズマ、ブラウン管 最も省エネな大型テレビはどれですか。

Eco_tv
電力消費量の少ないものはブラウン管、液晶、プラズマの順番です。
プラズマテレビを買う前に、よく考えましょう。

2007年01月25日

ESP事業

環境省EICネットによると、ESCO(Energy Service Company)事業とは「工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、それまでの環境を損なうことなく省エネルギーを実現し、さらにはその結果得られる省エネルギー効果を保証する事業のこと」と定義されている。

もう1年半くらい前ですが、このブログ「工場やビルの省エネにESCOを活用してみませんか」でESCO事業を紹介しました。

最近、省エネ第2種の事業所様を訪問する機会がありました。
伺った殆どの事業所様では、ESCO事業のことは知っておられて、導入を検討されているところもかなりあるようでした。
しかし、検討はしたが、省エネルギー効果の保証契約上、効果を確定するために一定の運用条件を保証することが必要で、この点でESCO事業者と折り合いがつかづ保留になっているケースが多々あるようです。

ところで、今月の北陸経営品質フォーラム例会で、松村物産(株)浅田事業開発室長より「環境ビジネス事業を考える」というテーマでお話を伺った。

話の内容は「経営と環境ビジネス」の関連、またその開発事例として「家庭向け燃料電池システム」の話でした。

「燃料電池システム」については、家庭用の話なので別途することにして、私が興味をもったのは、松村物産様は出資されたESP事業のことです。

ESCO事業は知っているが、ESP事業は聞いたことがない、何だろうと興味をもって聞いていました。

ESPとは、Energy Service Provider の略。

ESCO事業とは、設備の導入を中心とした省エネの実施と効果の保証ですが、ESP事業はエネルギー使用量の見える化を行なって、改善点をアドバイスするという事業のことのようです。

以前にNHKの”ためしてがってん”というテレビ番組で計測ダイエットというのを紹介したいました。
ダイエットをするときには、目標体重を決めて、毎日2、3回体重を計ると1ヶ月で1kgやせられるという話であった。
 要は、見えないものを数値化して見えるようにすることにより、自然とどこに問題があるかが分かるようになる。更にデータ分析への興味をうみ、それが改善につながるということでしょう。

ESP事業もその原理を応用したもので、使用量を見える化してそこから改善をすすめる。

講演の中で、ワタミフーズの導入例のお話がありました。ワタミフーズの居酒屋店舗での24時間の電量使用量を見える化すると、店が閉まった午前1時以降も朝までダラダラと電気が使用されている。
これは店員が家に帰らず朝まで店内で過ごし朝になってから帰るという習慣になっていた。これを営業時間以外は電気を消し、清掃時間はエアコンを消すなどのマネジメントを進めた。
その結果、5カ月間で数千万円の電気の節約、CO2換算で1000トン(常緑樹のクスの木を2789本植林したのと同じて程度)の効果をあげた、とのことです。

この例については、イーキュービック社の下記のページに掲載されています。

 ⇒ ワタミフードサービス社の電力削減手法

また、これはお話を伺った訳ではありませんが、同社導入紹介ページの飲食チェーン店における開店中のエネルギー使用状態の分析を改善事例が紹介されています。

 ⇒ 飲食チェーン店へのESP導入事例

どうして、電気の使用量削減したらよいか、頭をひねっておられる担当者の方もおられると思いますが、この例は1つヒントになりませんでしょうか?

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