3.産業界での実施例

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この図は産業界でのリスクマネジメントの活用分野の一覧です。

先ず、放射線技師の皆さんに最も関係があるのは昨年改正された薬事法で、医療機器製造メーカーに対してISO13485の第三者認証取得が義務付けられたことです。
ISO13485には、医療機器の設計及び製造に当ってISO14971医療機器のリスクマネジメント規格を適用することが要求されています。
その中味は、主として設計のFMEA、即ち製品が使用されたときの故障の発生要因の洗い出しと予防対策及び、工程のFMEA、即ち生産が開始されたときに発生するヒューマンエラー等による不良の洗い出しと予防対策です。

また、化学プラントなどでは、流量の早い・遅い、多い・少ないといったエラーが設備の潜在危険や運転性の安全性にどのように影響するかといったリスクを評価し予防対策を構ずるためHAZOPとい方法が用いられています。

食品・農産物では、O157など食品中に含まれる病原細菌、ウィルスなどの感染予防のため、原材料から生産行工程のおけるハザードの抽出・分析を行い、重要管理点を設定するHACCPという方法が用いられています。
この方法を用いたリスクメネジメントは、昨年9月ISO22000となり、農林水産省及び厚生労働省が該当事業者に対して取得を推奨しています。

また、先に紹介したハザードを特定してリスク分析を行なう方法は、労働安全衛生マネジメントOHSAS18001、環境マネジメントシステムISO14001に織り込まれています。

このほか、製品や製造に関するリスクアセスメントは、航空機、原子力、電子など広く用いられています。


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ここでは、自動車製造 H社における労働安全衛生の例を紹介します。

先ず、リスクアセスメントの対象の選択ですが、H社では「リスクは「設備と人の係わり」の中で発生するとして、対象作業を
・一般作業者の 「定常作業」「暫定的作業」「非定常作業」「チョコ停復帰作業」
・保全マン、施設等管理者の 「メンテナンス作業」「関連の異常作業」
・外部業者による 「メンテナンス作業」「関連の異常作業」「設備等の据付作業」
に絞り込んでいます。


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リスクアセスメントの前提条件ですが、職場は教育訓練が行なわれ、決められたことは守られているということを前提にしていますが、それでも以下の状態が発生することを意識してリスクアセスメントを実施しています。
・咄嗟や無意識の行動が時々発生する
・悪意や意図的なルール無視はないが、うっかりミスは時々ある
・やり易い動作や方法を選んでしまうことがある
・安全装置・回路が一部故障することがある


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リスクは、傷害の大きさ 掛ける 発生確率で算出します。
この表は、傷害の大きさの評価基準です。


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この表は発生確率の評価基準です。


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ケガの大きさ、発生確率のマトリックス表より評価点数を算出します。
評価結果、14~16点が許容できない、Aランクのリスク
評価結果、11~13点が重大な問題のある、Bランクのリスク
と判定します。


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エンジンストッカーでのチョコ停発生時のリスク分析の例です。
朱記部分が、リスク評価した結果11点でBランクのリスクとなり、対策案を講じた後リスクの再評価を行なうと6点、Cランクに改善されたことを示しています。

⇒ 4. 医療安全での実施例

2006.11.07.15:57 | Permalink | MENU